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苔の栽培方法

003 ヤマゴケの移植栽培法

 ヤマゴケの播きゴケ法栽培は時間がかかりますが、それ比べて、小さなコロニーを集めて移植する移植栽培は、案外、早く成長して、1年ほどで分厚い連続したコロニーになります。
 
 ヤマゴケの栽培で注意するのは、長期間の乾燥を避けることです。これはヤマゴケに限らず、コケは乾燥している間、成長しませんから、コケの成長を促すには、乾燥は避けたほうがよいのです。
 また、コケを成長させるには光りが必要ですから、できるだけ明るい場所で育てるのが、栽培のコツでもあります。
 ただ、光りが強ければそれだけ乾燥が速くなりますので、水分の補給に気を遣わなければなりません。
 
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 ヤマゴケのコロニーは灌水する時、苔の表面で水をはじく傾向がありますので、しっかりとした灌水が必要です。表面が濡れていても、コロニーの内部や土にまで水分が届いていないことがあります。
 上の写真、木鉢からヤマゴケが溢れるほどになっています。こうなると、少しくらい灌水しても中まで水は届きません。
 
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 少しふちが高くなっている容器で栽培すると、水は外へ流れずに土まで届きます。植木鉢にヤマゴケを移植する時も、水が鉢内に染み込むようにふち周りを押さえるとよいでしょう。
 ヤマゴケの移植栽培は案外簡単です。盆栽などによく利用されるのも、扱いが楽だからです。でも、そこまで育つのは容易なことではありません。自生ヤマゴケの乱獲は避けて、人工栽培で増殖して利用したいものです。
  By 苔神