苔の専門サイト 日本苔技術協会 > 苔の栽培方法 > 003 ギンゴケ栽培 枯死・復活

苔の栽培方法

003 ギンゴケ栽培 枯死・復活

 ギンゴケ(Bryum argenteum Hedw.ブリューム アルゲンテウム)の栽培試験です。2012年11月13日に播種しました。
 試験開始から1年2ヶ月が経過しましたが、その後のレポートに手抜きをしてしまいました。前回のレポートから、半年も経っていますが、継続してレポートします。
 実は、前回№002で、カビが生えたことを報告しましたが、その後、水やりをストップして2か月ほど放置しておいたところ、カビは消滅しましたが、ギンゴケも全枯死してしまいました。
「ああ、もうだめか!」
 そう思って、全く放置してすっかり忘れていたのですが、最近になってふと見たら、復活しているのを発見し、少しずつ水やりを再開しました。(全く、うかつなことです。)
2014年1月11日の観察です。
 
03%20bryum_1.jpg
 
 枯れた茎葉体から、分岐芽が発生しています。ギンゴケに限らず、コケは栄養体繁殖で枯れた茎葉体から新しい芽が発生して増殖するのはよく知られています。下の写真はそれがよく分かります。2013年3月11日に播種したギンゴケを促成栽培して、3か月後、6月1日に観察したものです。1本の茎葉体からたくさんの芽が出ています。
 
03%20bryum_2.jpg
 
 2014年1月11日に観察した促成栽培の枯死した茎葉体からも、芽が伸びているのが観察されました。
 
03%20bryum_3.jpg
 
 ギンゴケは、どこにでも見られるコケです。道路わきの縁石まわり、駐車場の隅、ブロック塀の下など、かなり過酷な環境下と思われるような場所に(好んで?)繁殖しています。どちらかというと、乾燥気味な環境下で生息すると考えられます。
 苔神の促成栽培試験では水分をたっぷりと供給して栽培したので、極端なほど徒長してしまいました。また、今回、水補給を絶って極端な乾燥下で放置して、半年間、全枯死状態になってしまいましたが、それがいつの間にか復活しています。
 ギンゴケの生態、まだまだ、分かりません。
  by 苔神