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苔の栽培方法

001 一緒にコケを育てましょう

一緒にコケを栽培しましょう。苔神が案内致します。
栽培するのは、コケの中で一番難しいといわれるスギゴケです。

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最初に、コケを栽培する場所について考えましょう。
1、広い庭や畑をお持ちの方は、雨が当たる場所、明るい場所、平らな場所を用意します。雑草を刈り取り、防草シートを敷きます。もし可能なら、耕運機やトラクターで均すことをお奨めします。
2、庭をお持ちでない方や、マンション住まいの方でも、プランターやポットで栽培できます。まずは雨の当たる場所を用意してください。雨の当たる場所がない方は、ジョウロなどでみずやりができる場所を用意します。また、明るい場所を選んで下さい。
床面がコンクリートの場合は、夏場に高温となりますので、少し大きめの板やカーペットなどを敷いて下さい。
3、コケの栽培には、風が大きく影響します。建物と建物の間など、風が通り抜ける場所は乾燥が速くなります。なるべく風の当たらない場所を選んでください。

 コケを栽培する方法はいろいろあります。水稲用育苗箱を使って広い圃場で栽培している人もいますし、挿し芽箱やポットを使って、ビニールハウス内で栽培している人もいます。また、スギゴケ、ハイゴケ、シッポゴケ、ヤマゴケなど、栽培するコケもさまざまです。
 専門的にいえば、コケの種類によって栽培の難しさが異なりますし、使用する容器や培土もそれぞれ選ぶ必要があるのですが、これから栽培するコケは、最も難しいといわれるスギゴケをプランターとポットで栽培する標準的な方法を紹介したいと思います。
次は、資材の準備です。
  By 苔神

002 コケ栽培の準備

材料と用具の準備をします。
苔の種は1リットル、10リットルで取り扱いしますので、プランターやポットなどで栽培される方は1リットル分の資材を、広い場所で量産を目指す方は10リットル分の資材を紹介します。

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1、先ずは、苔の種1リットルからです。(苔神工房の販売価格¥500.-送料込み)
苔の種はスギゴケとハイゴケを混ぜ合わせた混合種を播きます。
2、容器:プランターなら50×20センチくらいのものを2個用意します。(市販で¥200.-程度)
ポットなどの場合はおよそプランターと同じ面積分のポットを用意します。
3、培土:赤玉土小粒4リットル、バーク4リットルを用意します。(赤玉土小粒 16リットル、市販で¥300.-くらい バーク50リットル、市販で¥500.-くらい)
この培土は苔神が使用しているものです。この通りでなくても栽培はできますが、初めての方はこの培土をおすすめします。
4、防草シート:プランターやポットなどの底に敷いて、培土が漏れないようにすることと、路地に置く場合に地面に敷いて、雑草が入り込むことを防止するために使用します。必要な大きさの防草シートを用意します。(1平方メートル¥220.-くらい)
5、遮光ネット:種を播いた後、ネットをかぶせて栽培します。ネットをかぶせて、強すぎる陽射しや風から苔を守ります。50パーセントくらいの遮光率のネットで十分です。必要な大きさの遮光ネットを用意します。(1平方メートル¥100.-くらい)もちろん、すだれやよしずでも代用できます。

 次に、コケの種10リットル分の資材を紹介します。(苔神工房の販売価格¥3,500.-送料別)
1、容器:挿し芽箱(約30×45センチ×9センチ内寸法)を20箱用意します。(市販で1箱、¥100円くらい)
2、培土:挿し芽箱1箱につき、赤玉土小粒2リットル、バーク2リットルを用意します。(20箱分で赤玉土小粒40リットル、バーク40リットル)
3、防草シート:挿し芽箱の底に敷く大きさの防草シートを20枚、地面に敷く防草シートを2×2メートルの大きさで用意します。
4、遮光ネット:挿し芽箱を並べた上からかぶせる2×2メートルの大きさで用意します。

 資材はこれだけです。後は、土を混ぜ合わせるときに使う少し大きめの容器、計量カップ、コテ,ジョウロを用意します。
 さあ、準備はできました。早速、苔の種を播くことにしましょう。
 苔の種を播く手順は、サイト内の「コケの種」に紹介されていますが、次回に詳しく解説します。
  By 苔神

003 苔の種の播き方手順

苔の種を播きました。2011年3月28日です。
最初に、赤玉土4リットルとバーク4リットルを混ぜ合わせます。これを混合培土と言います。プランター2個分です。
混合培土を1リットルと、苔の種1リットルを混ぜ合わせます。これを種混じり培土と言います。合計2リットルの種混じり培土ができました。

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次に、プランターの底に防草シートを敷き、混合培土3.5リットルを入れます。平らに敷き均したらたっぷりと灌水します。
 この上に、種混じり培土1リットルを均一になるように入れます。軽く手で均す程度です。終わったら灌水します。静かに水を掛けてください。強く掛けたり、大量に掛けたりすると、苔の種が浮き上がり流れてしまいます。
 灌水し終わったらコテで抑えてください。コテの押さえ方は静かに押し付けるだけです。横に引いたりするとコケの種が偏ってしまいます。静かに押さえて、土に含まれた水を押し出すような感じです。
 これで種播き作業は終わりです。
 最後に、プランターに遮光ネットを掛けます。遮光ネットが風で飛ばされないよう固定してください。苔神はひもで縛りました。我が家の狭い庭の隙間に置かせてもらいました。このまま2年ほど置いて、コケが芽を出し、成長してゆく様子を報告しようと思います。
  By 苔神

004 コケ栽培の記録

 苔の種を播いた後、苗が育つまで、どのように管理するのか、気になりますね。
 苔神は苔の種を播いた後は、ほとんど手を掛けずに育てることを目標にしていますので、放置状態で様子を見ています。もちろん、ベランダや雨のあたらない場所で栽培するときは、灌水はしなければなりません。でも、雨の当たる庭や畑は、そのままです。草刈りもしません。
 ただし、コケの苗を事業用として販売利用する場合は、雑草の管理は必要です。

 2010年7月に種を播いた挿し芽箱栽培の記録を紹介します。新潟市秋葉区小須戸にある農産物販売施設「うららこすど」の敷地内の花壇で公開栽培試験をしています。

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 8月31日に観察しました。播種からおよそ2ヶ月経っていますが、それまでほとんど雨が降らなかったせいか、からからに干からびていました。でも、そのまま放置です。
 9月16日、発芽を観察しました。ほんのチョビチョビです。

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 10月23日、順調に育っています。少し雑草が入り込んでいます。防草シートを突き破っています。
 11月11日、順調に育っています。雑草は相変わらずです。

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 12月25日、雪が降りました。でも、順調に育っています。
 2月26日、苔の種を播いて栽培を開始してから7ヶ月が経ちました。雪は降っては消え、降っては消えを繰り返しています。
 これからも、栽培の様子を報告してゆきます。
  By 苔神

005 コケの栽培の記録

2010年7月に種を播いた挿し芽箱栽培の記録を紹介しています。新潟市秋葉区小須戸にある農産物販売施設「うららこすど」の敷地内の花壇で公開栽培試験をしています。

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 スギゴケの種を播いてから9ヶ月目です。前回からまだ1ヶ月ほどしか経っていませんから、ほとんど変化はありません。

3月11日に東日本大震災が発生しました。仙台には日本苔技術協会の会員が4名在住しています。震災発生から一週間は連絡が取れませんでした。ようやくメール連絡が取れ、3月20日、桜下会員、内海会員、福元会員、齋藤会員を訪ねてきました。家屋に多少の震災の影響はありましたが、幸いなことに皆さん無事でした。しかし、これから先、仕事がどうなるのか見通しがつかないと、不安を隠せない様子でした。しばらくは苦しい状況が続くことでしょうが、希望を捨てず、頑張ってほしいと思います。
 仙台のみならず、震災を受けた地域が一日も早く復興されますことを願っております。
 By 苔神

006 コケの栽培記録

 新潟市秋葉区小須戸にある農産物販売施設「うららこすど」の敷地内の花壇で公開栽培試験をしています。試験開始、播種から10ヶ月目です。
 
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 わずかですが、成長が確認できるほどです。茎高も1センチほどになり、色合いもはっきりとした緑色になってきました。スギゴケは気温が高くなるこの時期、一気に成長します。今年の7月7日で播種から一年になります。
 次回は7月にレポートしますが、どれくらい成長しているか楽しみです。
 By 苔神

007 コケは成長しています

 5月24日。2ヶ月間、観察するのを忘れていました。苔の種を播いたのは、2011年3月28日です。既に発芽し、成長を始めていました。
 
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 播いたのは、スギゴケとハイゴケの混合の苔の種です。スギゴケもハイゴケもどちらも発芽しています。まだ、茎高数ミリ程度で、うっすらと緑色が広がって見える程度です。
 
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 新潟では、4月の平均気温は11.2℃、平均降水量は年間で最も少ない3.1ミリ/日。
5月になると平均気温は16.1℃、平均降水量は3.3ミリ/日です。意外とこの時期は雨が少ないのです。もちろん、この観察では自然のままにして、灌水はしていません。でも、ちゃんと育つことがお分かりのことと思います。
 また、観察を続けて報告します。
  By 苔神

008 3ヵ月半経過しました。

 7月12日。ポット、プランターでのコケの栽培、播種からおよそ3ヵ月半経過しました。
 ポットには少し雑草が入り込んでいます。プランターはほとんど雑草がありません。
 雑草を防止するには、土を選ぶことが大切です。庭や畑の土には様々な植物の種が混じっているものです。種が入っていない土を選べば、雑草を防止することができます。プランターやポットの下に防草シートを敷くのも効果があります。
 
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 除草剤を撒布すると一度、コケも枯れますが、やがて再び生えてきます。ただし、きちんと試験をしたわけではないので、断言はできません。除草剤の種類や散布量によっては、コケも完全に消滅することがあるかもしれません。
 
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 新潟は7月10日に梅雨が明けました。どんなコケも春先から夏場までの間が一番旺盛に成長するようです。ポット、プランターでのコケの栽培は順調です。

 最近、自生しているコケが大量に採取(無断採取)されるということが身近に起きています。コケの需要が急速に高まって、供給が間に合わないことから、こんなことが起こるのでしょう。自然界のコケの供給量はわずかです。必要なコケは人工栽培で増やして利用したいものです。
  By 苔神

009 コケ栽培の記録

 8月9日の記録です。7月に記録する予定が少し延びてしまいました。
 昨年7月から続けている、新潟市秋葉区小須戸にある農産物販売施設「うららこすど」の敷地内の花壇の公開栽培試験は、1年が過ぎました。挿し芽箱でのスギゴケ栽培です。
 
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 7月末に水害が発生するほどの雨が降りました。阿賀野市の渡部会員(㈲渡部造園)の圃場は水浸しになりました。幸い、流されずに2~3日で水は引き、コケの被害はありませんでしたが、犬山市の吉田会員の保有する和歌山県熊野の圃場は土砂に流されて壊滅状態とのことでした。
 この点、水田や畑の圃場は安心してコケの栽培が可能です。公開栽培のスギゴケもご覧の通り、雑草に覆われてしまっていますが、順調に育っています。8月に入って雨が降らず、乾燥していますが放置状態でも何ともありません。
 挿し芽箱によるスギゴケの栽培記録は今後も可能な限り、レポートして報告してゆきます。
 By 苔神

010_プランター栽培の記録

 3月28日に播種したコケの栽培記録です。8月24日、5ヶ月が経ちました。
 
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 8月に入ってからしばらく雨が降らず、乾燥した状態が続いていました。その間、2~3日の間隔で水をやっていました。その後、雨が降るようになり、伸び始めたハイゴケはご覧の通り、元気です。
 播いた苔の種は混合ですが、スギゴケはまだ見えません。たぶん来年だろうと予測しています。
 挿し芽箱やプランターでの栽培の場合、ハイゴケならこのくらいまで成長すれば、もう、遮光ネットは外してもいいのですが、9月に入ってからの残暑のことを考慮して、もう少し遮光ネットをかけておくことにします。

 この栽培記録のブログを読みながら、一緒にコケを育てている方、コケの育ち具合についてレポートを書いてメールして下さい。写真も添えて下さいね!
 By 苔神

011 プランター栽培の記録

 プランターに苔の種を播いて、コケを栽培している記録です。3月から8ヶ月が経ちました。
 
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 10月以降、結構、雨が降って、コケの生育は順調です。水やりも全く必要がありませんでした。遮光ネットを掛けたままにしておいたために、少し徒長気味に育ってしまいました。
 
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 遮光ネットは太陽光を遮ることで、茎を成長させる働きをします。植物は光を求めて、先へ先へと成長するからです。また、遮光ネットを掛けることで、温度の上昇を抑えます。風も遮ります。そのために、乾燥を防止する効果が高まります。このため、プランター内が過湿状態になり、徒長気味に育ったのです。
 コロニーの厚さは1~2センチほどです。コロニーを少しめくってみました。(上右の写真)バークと赤玉土が少し付着しています。
 苔玉用に使用するには薄過ぎます。庭へ移植するにはまだ弱い苗です。
 来年の春まで、このまま放置しておきます。来年春になったら、遮光ネットを外します。みっちりとした丈夫なコロニーが出来上がるまで、1年半はかかるでしょう。
 次回のレポートは3月ごろにします。
 皆さんのコケの育ち具合は順調でしょうか。分からないことや心配なことがあったら、苔神に尋ねて下さい。多分、何も問題なく育っているはずです。
 By 苔神

012 苔栽培の記録

 昨年7月から続けている、新潟市秋葉区小須戸にある農産物販売施設「うららこすど」の敷地内の花壇の公開栽培試験、10月11日の記録です。挿し芽箱でのスギゴケ栽培ですが、試験開始から1年4か月が経ちました。
 
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 基本的に、灌水も、雑草処理もしていません。何もせず、自然のまま、観察を続けています。
 
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 さし芽箱のスギゴケのサンプルを写真に撮りました。1年目の茎葉部分は枯れ始めています。今年伸長した緑葉部分は3センチ程度です。仮根部は、今回は観察していません。
 スギゴケの栽培はこんな具合に、長時間を掛けてコロニーを育てます。本来はスギゴケが生える環境ではない場所に、スギゴケを育てようとすることが容易ではないことがお分かりだと思います。
 スギゴケの生態を明らかにする観察は、4年くらい掛かると思います。まだまだ、観察は続きます。
 次回は仮根部の生育状態を観察して報告します。
 By 苔神

013 プランター栽培の記録

 2012年2月29日。新潟はまだ雪に埋もれています。プランターに苔の種を播いて11か月が経過しました。雪の下で成長しているコケをご覧下さい。
 
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ずっと遮光ネットを掛けっぱなしにしていましたので、水分過多、光量不足となってやや徒長気味です。それでも一人前のコロニーを形成しています。

 プランター栽培の長所は風の影響による乾燥を防止できることです。播種、発芽、成長の過程では、急激な乾燥が致命的な失敗を誘発することがあります。その大きな原因となるのが風による乾燥です。プランターの深さ、遮光ネット、これによって風の影響を遮断することで、コロニーを形成するまでの期間、苔の成長を保護することができます。苔の栽培にプランターが有効だということがお分かりかと思います。
 でも、そのために、過湿気味となって徒長してしまう欠点もあります。遮光ネットをいつ外すか、そのタイミングに注意が必要です。苔神は今日から、遮光ネットを外します。
 By 苔神

014 プランター栽培の記録

 2012年5月23日。播種してから1年2か月経過しました。2月末に遮光ネットを外しました。以来、気温も上がり、好天が続いています。苔も順調に育っています。
 
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 案外、雑草が少ないので、気をよくしています。写真ではよく見えませんが、ハイゴケの中からスギゴケも出てきています。スナゴケはわずかに確認できる程度です。「苔の種」混合3種を播いたのですが、やっぱり、ハイゴケは強いですね。一見すると、ハイゴケだけのように見えます。
 苔神の経験では、まずハイゴケが成長して、その1~2年後くらいで、スギゴケが目立つようになります。もちろん、環境によっては、スナゴケが旺盛に育つこともありますが、スギゴケは、ハイゴケやスナゴケの後にゆっくりと成長して来ます。
 一緒に、プランターで苔を育てている皆さんは、如何でしょうか。
 このプランター栽培の記録は、この後何もなければ、来年の春頃に最終報告をします。
 By 苔神

015 コケ栽培の記録

 新潟市秋葉区小須戸にある農産物販売施設「うららこすど」の敷地内の花壇の公開栽培試験、2012年5月9日の記録です。挿し芽箱でのスギゴケ栽培ですが、試験開始から1年10か月が経ちました。
 
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 基本的に、灌水も、雑草処理もしていませんから、ご覧のように雑草だらけになっています。あまりにもひどい有様で、施設の方から、何とかしてくれないか、と苦情が出ました。仕方なく、除草剤を散布することに。
 
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 前回、仮根部の生育状態を観察して報告すると書きましたが、想定外の仕事が入って、仮根の観察はおあずけになりました。
 栽培に関しては問題ありません。スギゴケの中に少しハイゴケが混じるようになって来ています。
 また、これまでずっと遮光ネットを張ったままにしてきましたが、本日、遅ればせながら外しました。
  By 苔神

016 プランター栽培 2年間

 2013年4月23日。播種してから2年1か月経過しました。前回の報告から、1年が経過します。
 
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 三種混合(スギゴケ Polytrichum formosum Hedw. Polytrichum commune Hedw. ハイゴケ Hypnum plumaeforme Wilson. エゾスナゴケ Racomitrium japonicum Dozy & Molk. )の苔の種を播きましたが、最初の1年はハイゴケのみでした。エゾスナゴケは最初少し発芽しましたが、その後、見えなくなりました。1年間、遮光ネットを張っていたためです。その代わり、スギゴケが出てきました。現在は、スギゴケの新芽が一斉にプランター内に伸び出しています。

 苔の種をプランターに播いてから2年もすると、コケはちゃんと育つことがこの実証試験で分かりました。2年の間、ほとんど維持管理をしませんでした。スギゴケは栽培が難しく、ハイゴケやエゾスナゴケは易しい。その易しいハイゴケやエゾスナゴケを育てるとコロニーができます。コケのコロニーは、コケが生息しやすい環境を整える機能を持ちます。ハイゴケやエゾスナゴケのコロニーが、スギゴケを育ててくれるのだと、理解して下さい。そして何よりも、コケはちゃんと育つまでは、2年くらい掛かること、辛抱強く育てなければならないことを、知って下さい。
 もっと早く育てる方法はないのか、という問い合わせがありますが、苔神も頑張って研究していますので、皆さんもいろんな育て方を研究してみて下さい。
 By 苔神

017 プランター栽培の記録

 2011年3月28日に苔の種を播きました。
 2014年1月9日の観察です。
 
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 今日は(1月10日)降雪で庭一面、真っ白になって、コケは見えません。昨日、観察してグッドタイミングでした。
 ハイゴケは立派なコロニーに育っています。スギゴケが一部ですが、しっかりと繁殖しています。よく見ると、ハイゴケの中からスギゴケの新株がたくさん見え始めています。スギゴケが出始めてから1年8ヶ月になります。
 このプランター栽培の記録はもう1年、レポートするつもりです。今年、雪が解ける頃(3月?)からますますスギゴケが目立つようになると思います。
 By 苔神

018 プランター栽培の記録

 2011年3月28日に苔の種を播きました。
 2014年5月7日の観察です。前回の観察から4か月経ちます。雪解けから、ぐんぐんと気温が上がり、最近は20℃を超える日もあります。この気温の上昇に伴って、スギゴケの新株が急激に伸び出しました。茎高は5㎝、緑葉部は2㎝、土中の仮根部は1㎝ほどです。こうなると、どんどんとコロニーが発達してゆくものと思われます。
 
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 この試験では、苔の種を播種して最初の1年間は、ほとんどハイゴケばかりが目立ちました。2年目くらいからスギゴケが少しだけ混じるようになり、3年目にしてようやく初期のコロニーを形成する段階まで繁殖し始めました。
 自然観察では、スギゴケが繁殖し始めた場所が、やがて旺盛にスギゴケのコロニーが発達するようになるまで、数年もかかることがあります。この試験栽培のプランターがスギゴケでいっぱいになるのに、どれくらいの年数がかかるのか、興味津々です。
 By 苔神

019 プランター栽培の記録 10年間

 2011年3月28日に苔の種を播きました。
 2021年8月24日、11月4日、2021年2月1日の観察です。前回の観察(2014年5月7日)から約7年経ちます。まだ時折り雪が降り、気温は最高で8℃、最低で-4℃くらいの気候です。つい最近まで雪の下になっていましたが、ここ数日で雪が解け、観察できるようになりました。
  
 2020年8月24日 観察
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 2020年11月2日 観察
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 2021年2月1日 観察
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 苔は長期間にわたって、少しずつ成長して行く植物です。種を播いて2年間育てて、ようやく健全な苗に成長しますが、その後の成長でも様々な変化をしながら生き続けます。
 2011年にプランターにハイゴケ、ウマスギゴケの混合の種を播種しました。およそ半年で発芽繁殖し、2年ほどで定着してコロニー形成をします。ハイゴケは育てやすいのですが、ウマスギゴケはハイゴケの中から遅れて育って来ます。3年目以降、徐々にコロニーが盛り上がって行き、10年目にはほぼ3倍ほどの盛り上がりを形成するようになりました。
 長期間、観察を続けていると、苔の生命体の未だに知られていないものを感じることがあります。それが何なのかは、さらに観察し続けないと見えてこないのでしょう。 By 苔神