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全国の造園家の皆様から、移植した庭園のスギゴケのトラブルに関する問い合わせ、相談が急増しています。相談内容の大半が「庭園のスギゴケが枯れた、何故ですか、どうすればよいか」というものです。
庭園に移植したスギゴケの苗が、移植後、4年以内で枯れてしまう現象は、至る所で起こっています。 何故、枯死現象が発生するのか、その原因のいくつかは判明しています。
@:市販され、流通しているスギゴケの苗
A:造園に使用する基盤の土
B:庭園の環境
C:その他、管理
これらの要素がいくつか重なって、枯死現象を招いています。
スギゴケ(オオスギゴケ、ウマスギゴケ)の生態には、まだ未解明
な部分がありますが、特徴的なことがいくつかあります。
@:仮根の発達が著しい
A:仮根部から新株が発生する
B:新株はコロニーの高さまで茎が伸びる
B:毎年、3〜7センチ茎高が伸長する
C:枝分かれせず、先端成長を続ける
D:茎葉部は経年と共に枯れて土壌化する
スギゴケはある一定の条件下(苔の種の標準播きゴケ法)で栽培すれば、誰にでもやさしく、均一に、大量に、人工栽培することができるようになりました。しかしながら、直接、庭園や路地に苔の種を播いてスギゴケを育てることとは、同じではありません。
スギゴケの栽培・育成は単純なものではありません。スギゴケの生態、地勢や土壌、気候や生態環境など、未解明な要因が複雑に関連しながら、スギゴケは育っています。
このような現状では、全国の造園家から寄せられる「庭園のスギゴケが枯れた、何故ですか、どうすればよいか」と相談を受けても、的確に答えることはできません。
日本苔技術協会では、造園家の皆様に、スギゴケの栽培をお勧めしています。自らの手でスギゴケを育てることが、庭園で苔を育てる最善の技術となります。スギゴケを育てようとする庭園の地勢や土壌、気候や生態環境を最もよく知っているのは、造園家自身に他なりません。どうぞ、自らの手で育てたスギゴケを、自らの手で庭園に移植して育てて下さい。
日本苔技術協会はその栽培のお手伝いをいたします。
JMTA 日本苔技術協会 苔神工房 苔アドバイザー 北川義一