「庭のコケが枯れてしまったんです。どうすれば、スギゴケを育てることができるのでしょうか」
こんな電話があちこちから来るようになりました。
「スギゴケの研究にチャレンジ!」とばかり、苔神は、どこへでも出かけて行き、現場を見せてもらいました。
問題が発生するのは、全部スギゴケなんです。とはいえ、ハイゴケやスナゴケで庭を造る人は稀で、苔庭といえばスギゴケと相場が決まっていますから、仕方がないのかもしれません。庭屋さんがコケを庭に植えるといえば、スギゴケなんです。ちょっと器用な人は自分の庭にハイゴケやスナゴケを付けて、綺麗にしています。スナゴケ、ハイゴケは案外易しいのです。問題はスギゴケなんです。
まず、何故スギゴケは枯れるのか?何故スギゴケは倒れたようになって枯れているのか?
苔神は考えました。スギゴケは枯れてから倒れるのか、倒れてから枯れるのか?枯れていないスギゴケは倒れないのか?倒れないスギゴケは枯れないのか?
スギゴケは一年間で3~5センチ成長します。単純に考えても、5年もすれば15~25センチにもなります。そもそも、スギゴケは何年成長し続け、どれくらいの茎高になるのでしょう?ああ~、知らないことが多すぎる!
2006年6月から今日まで、寝ても覚めてもスギゴケが頭から離れません。でも、今でも「苔が枯れてしまったんです」という相談が寄せられるのです。何としてもスギゴケの研究を進めなければと、先ずは初心に帰って自然の観察から始めることにしました。 by 苔神