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苔の研究レポート

013 スギゴケの移植について

 苔を庭園に植えたいが、どの時期がよいのか?という質問をよく受けます。
 スギゴケに限りませんが、苔は移植しても簡単には活着しないように思います。
 ヤマゴケのコロニーは植木鉢に簡単に移植できますが、スギゴケ、ハイゴケ、スナゴケ、シッポゴケなどは一度は枯れた状態になって、その後、少しずつ回復して自生状態になってゆきます。
 枯れた状態になるまでの時間は、半年だったり、1年だったりしますが、とにかく、移植した状態のまま、活着して自生化するのは稀です。苔はそれだけ環境の変化に敏感なのだと思います。その意味では、コケが最も著しく成長する春先が移植に適していると言えるのではないでしょうか。

 写真 左:分割しての移植試験     右:播種後半年のウマスギゴケの栽培苗
 
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 そこで試験をすることにしました。2011年3月30日にウマスギゴケの半年苗(茎高1センチ)を別のケースに移植し、その後の経過を観察しています。
 半年苗は移植するには少し早いのですが、まあ、試験ですからどうなるか興味しんしんです。ついでに、6分割して、移植先の培土を変えてみました。土の種類によって移植に影響があるかどうかも見るつもりです。
 4ヶ月経っていますが、案外、順調に育っています。茎高は3cmほどになっています。勿論、遮光ネットは掛けていますし、雨の降らない時期は2~3日に一回は灌水しています。
 こんなに面倒を見たら、試験にならない?かも。
 9月に入ったら、同じように秋の移植をして、比較します。
まあ、気長に2年くらいは様子を見るつもりです。
 By 苔神