少し極端な言い方になりますが、苔玉を育てにくくしている原因は、苔と植物とを同じ環境で育てようとしていることです。自然界で苔と同じ場所に生えている植物はそんなに多くはありません。苔と一緒に植物を育てることは、簡単ではないのです。
でも、苔は苔、植物は植物で育てれば、それほど難しくはありません。
苔神の苔玉づくりは、基本的には、苔は苔、植栽は植栽、と分けて考えています。下の写真は苔玉の植木鉢造りです。観葉植物のポットがそっくり入るように作っています。ポットの入れ替えができます。
こちらは陶器の植木鉢を苔玉に仕立てました。苔玉インストラクター養成講座で制作した苔玉の鉢です。苔はハイゴケ、植栽は白芽八ツ房エゾ松です。
土を使用しない苔玉にはいろいろな特徴があります。
まず、苔だけの苔玉を作り、苔を育てる最良の環境下で苔玉を育成し、苔が十分に育ち、充実したコロニーが出来上がってから植栽を挿入することができます。
こうして作る苔玉は、植栽部分と苔玉部分が分離していますから、他の植栽に植え替えたり、植栽部分の土の入れ替えも可能になります。また、植栽部分と苔玉部分が分離していることから、水分供給もそれぞれに調節して給水することが出来ます。
何よりも、苔だけを苔玉に作りますから、土を使わずに作ることが出来ます。また、植栽の根鉢を考慮する必要がありません。苔を育てやすく作る、それだけを考えて作りますので、苔が育ち易い苔玉なのです。もちろん、植栽部分は独立していますから、苔玉に影響されることなく植栽にあった育て方ができます。
苔神は、何よりも苔がきれいな苔玉を作りたいと思っています。
By 苔神