こけ玉は、世界中で人気が高まっているようです。先日、突然、スペインからメールが届き、8月12日に日本へ行くから、こけ玉作りを教えて欲しい、とありました。スペインのマドリード在住のミゲール アパリシオ(Miguel Aparicio)という男性です。
ミゲールはフランス人のベナールが苔神でこけ玉作りを経験したという前回の記事を見て、メールを送ったのです。諸外国の旅行は慣れているようなのですが、日本は初めてとのこと。まして、この時期、日本はお盆で帰省ラッシュです。慣れない英語のメールのやり取りで、ようやく、12日の午後に新潟へ到着しました。
ミゲールは12日、13日と新潟に滞在し、苔神の栽培圃場を見学、近くの公園でコケ観察のフィールドワークを経験し、そして、布こけ玉、無土こけ玉、ミニ盆栽、コケと石の盆景と、ハードなワークショップを受講しました。(日本苔技術協会の会員は、皆さんこのワークショップを経験します。)
ミゲールは、こけ玉を作っているアーキテクトデザイナーのガールフレンドに触発されて、コケの勉強を始めました。ガールフレンドは見よう見まねのこけ玉を作って、室内装飾に使っているようです。
苔神が、「ガールフレンドにコケ作品の作り方を教えてあげたら?」と言うと、自分で作ったコケ玉を眺めながら「今回は一人で来ましたが、次回はガールフレンドと一緒に来ます。是非、ガールフレンドにも教えてあげて下さい。」とミゲールは苦笑いしました。一通りのコケの技術を学んだミゲールでしたが、全てをマスターしたという自信は無いようでした。
盆栽は、スペインでも本格的に学ぶことができるようですが、盆栽のコケを扱うのは、ただコケを土の上に乗せるだけで、その後の管理や育て方については、盆栽の先生も知らないそうです。こけ玉も、見よう見まねで作る人や、それを教える人もいるようですが、苔神のワークショップを経験したミゲールは「スペインでは、こんなに専門的に、学術的にコケを教えてくれる人はいません。私はとてもラッキーです。」と喜んでいました。
ちなみに、これからも継続してコケを学びたいと、ミゲールは日本苔技術協会に参加しました。スペインの第1号会員です。
By 苔神