コケを庭に付けたいという個人の方からの問い合わせがかなりあります。
質問の大多数は「どの種類のコケを付けたら良いか?」ということと、「○○種類のコケを付けたいが、どうすれば良いか?」というものです。メールでのやり取りでは、庭のコケが駄目になったので、自分で納得の行くようにコケを付けてみたいので、コケ付けの方法とその後の管理方法を教えて欲しいというのが、問い合わせの内容です。
コケが駄目になる(枯れる)原因は様々あると思いますが、要約すれば、コケは種類によって日照や風などの環境条件と給水量のバランスが異なっています。そのバランスが適合していないことが、コケが駄目になる原因の大半を占めています。
3月初旬頃、黒鳥地区の威徳寺の住職さんから、「苔の苗を分けて欲しい」と電話がありました。苔神は試験栽培で育てたコケの苗が多少ありますが、売り物として育てているわけではないので、適当にご自分で見て選んでもらうことにしました。すると、自分は苔のことを知らないと言います。
話を聞いて見ると、以前、寺の庭園に造園屋さんからコケを付けて貰ったが、数年もしないうちに駄目になり、その度にコケを付け直し、それを何度も繰り返したのだそうです。もう今では、コケは駄目になったままにしてあるとのこと。今回は、新しく作る庭(石庭)に自分でコケを付けるので、苗だけ欲しいのだということでした。
苔神の圃場からすぐ近くの現場なので、一度、庭の様子を見させてもらいました。現場を見ながら、コケの種類や、下地作り、コケの苗の移植法、維持管理の方法などをかいつまんで教えて来ましたが、それから程なくして40ケースほどのスナゴケの苗を持ち帰り、1日で施工してしまいました。上記の写真がビフォア―&アフターです。後は、住職さんの管理次第というわけですが、それにしても、こうやってコケを全く知らない人が庭にコケを付けるのかと、苔神は少し驚いた次第です。
せっかくですから、この庭のコケの様子を観察してみようと考えています。
by 苔神