コケは乾燥に強い!でも、水をやらないと枯れてしまう!でも、水をやり過ぎても死んでしまう!
こけ玉を育てているうちに、コケがだんだん黒くなって死んでしまうことがあります。水のやり過ぎが原因だと言われていますが、本当のところは分かりません。
蘚苔類は水中から陸上へと進出した初期の植物だと考えられていますから、理論的には、水に強いのではないかと考えます。コケは茎や葉の細胞が、水分を直接吸収して光合成を行います。光合成には空気が必要ですが、コケには、普通の植物のように空気を取り込む気孔がありません。空気も、細胞が直接吸収していると考えられます。もちろん、吸収する水分には、空気が含まれているので、水と一緒に空気も取り込んでいるのではないかと考えます。
では、コケは水中で生息することができるのではないか?
この疑問に応えるために、試験してみました。
2013年11月1日、ウマスギゴケ(Polytricum commune)を水中に固定しました。
画像上左:2013年11月1日 画像上右:2014年1月11日
画像上左:2014年11月7日 画像上右:2015年3月26日
2か月後の2014年1月、水中のウマスギゴケに変化はありません。
1年後の2014年11月、水中のウマスギゴケは徒長してはいますが、成長しています。全体的に水が緑色なのは、藻類によるものです。
ウマスギゴケの他にハイゴケも試験してみましたが、1年間、成長し続けました。この試験から分かることは、コケは水分を大量に供給しても、簡単には死なない、ということです。乾燥にも強く、過湿にも強い、にもかかわらず、コケを育てる時、水のやり方が難しいと感じるのは、何故なのでしょうか?不思議でたまりません。
水中でのコケの栽培に関して、鳥羽水族館のホームページの日記に、同じような試験が掲載されています。興味のある方はご覧になって下さい。
By 苔神