10月17日、胎内市の「荒惣」さんの庭園のコケを下見に行って来ました。
板塀を背景にした和庭園です。石や灯篭、樹木などが配された庭園内には、シッポゴケ属(Dicranum)、シモフリゴケ属(Racomitrium)、タチゴケ属(Atrichum)、ハイゴケ属(Hypnum)など、およそ10種類ほどの蘚苔類が繁殖しています。でも、大部分に土が露出しており、自生しているコケはほんのわずか。この庭に全体的にコケを移植してきれいにしたいとのことでした。
移植前の庭園
11月15日、コケの移植に行って来ました。
協会員の朽網裕子氏、坂井苔栽培組合の坂上会長を含めて4名に、コケの移植指導を兼ねて、午前9時~午後3時半まで、作業を行いました。使用した苗は、坂井地区で栽培されたウマスギゴケ、シッポゴケ、カモジゴケ、オオシッポゴケ、トヤマシノブゴケ、エゾスナゴケ、ツボゴケ、アラハシラガゴケの9種類。
移殖
コケの移植で難しいのはウマスギゴケです。和庭園で使用されるコケの大部分がウマスギゴケなのですが、ウマスギゴケの移植技術は専門の造園業者でも知る人は少ないのです。
荒惣さんは創業200年を迎える老舗で、蔵作りの伝統的な屋敷を保存しています。誰でも街歩きで見学できると聞きました。是非、見に行って下さい。 by 苔神
問合せ先:株式会社 荒惣 ℡:0254-43-2007 https://www.araso.co.jp